現役のリモートワーカーに、リモートワークという働き方のあれこれを深掘りインタビュー!
5人目は、ふつうはリモートワークは難しいと思われる職種「採用・人事担当」を務めるIT菩薩@モロー(毛呂 淳一朗)さんです。
※以下、便宜上「モローさん」と呼びます。
人物紹介:IT菩薩@モロー(毛呂 淳一朗) さん
町田のIT企業・アスペア社でエンジニアの採用・人事職を担当。慶応大卒業後、28歳までフリーター。その後はタイ・香港・ベトナムで勤務という破天荒な経歴を持つ。エンジニアが「ゆるく幸せに」働くための転職・キャリアの情報を発信中!
■Twitterアカウント:@Morow99956707
■Facebookアカウント:https://www.facebook.com/profile.php?id=100002054995323
一見したところ、「リモートワークなんてできないんじゃないか?」と思える採用・人事担当。
でも、今回のインタビューを通して「あ、全然できるな!」と思えました。
というわけでこの記事は…
- 現在、採用・人事職だけど「もっと自由な働き方がしてみたいな」と悩んでる人
- 自分の職種はリモートワークなんてできないよ…と諦めてる人
- 柔軟な働き方がしたい!と悩んでいるエンジニアの人
特にこんな人に読んでほしい記事となっています。
モローさんの経歴はもちろん、リモートワークをしてて感じる「リアル」を色々と聞いてきましたので、ぜひご一読を!
サクッと記事を見たい人はこちら
モローさんのプロフィール・経歴など
まずは、モローさんの簡単なプロフィール&経歴はこちら。
- 職業形態:会社員(正社員)リモートワーク歴1ヶ月目
- 職種:採用・人事
- 年齢:36歳
- 居住地:東京
※いずれもこの記事の公開当時の情報です。
では、以下からインタビューです(↓)
大卒→フリーター→海外勤務…異色の経歴!
なかのの夫:本日はよろしくお願いします!しかしまさか、人事・採用職の方がリモートしてるとは…意外でした!
こちらこそよろしくお願いします。楽しみにしてました!
確かに意外ですよね。
なかのの夫:はい、リモートワークのテッパン職ってエンジニアというイメージで、人事とか採用ってあんまり聞きませんから。元々そういった仕事をされていたんですか?
そうですね。元々私は28歳までフリーターをやっていたんですよ。
その後、タイや香港などを経由して、直近ではベトナムのホーチミンに本社のある転職エージェントの会社の立ち上げをゼロからやっていました。 転職を支援する候補者はベトナム人のエンジニア、営業マネージャーなどですね。
一貫して人材系の仕事はしてましたが、実は今の職場でまだ1ヵ月くらいなんですよ。
なかのの夫:えっ、そうなんですか。笑 すごく慣れてらっしゃる雰囲気だったので、もっと長く勤務されてるのかと思いました。
今の職場は、苦労して見つけた「運命の会社」
いえ、リモートワークほやほや状態ですよ。笑
きっと今の会社(株式会社アスペア)に私が合ってるからそう見えるのかもしれません。
実は私は入社する上で企業側に譲れない条件が10個近くあって、企業探しにはすごく苦労しました。そうやって入社した職場なので。
なかのの夫:そうなんですね。ちなみにその条件というのは?どんなこだわりがあったんですか?
ぜんぶ言うと長くなるので、3つ挙げると、
- 時間の制約がないところ
- 副業できるのが絶対条件
- 社長が採用を直でやってるところ、かつ頭の柔らかい方
…という条件ですね。
なかのの夫:いいですね!ぜんぶ共感できます。実際それ全部叶ってるってことですもんね。すごい会社ですねーー!
はい、有給休暇を1ヶ月近くとっている人がいたり、15時定時退社の女性のエンジニアさんがいるんですよ。
日本トップクラスの柔軟な働き方を実現している企業なので、今の職場を見つけたときは「ここしかない!」と思いました。
なかのの夫:運命の職場って感じですね!
リモートワークの採用・人事としての仕事内容
なかのの夫:そしたら、採用・人事のお仕事についてもうちょい突っ込んでお聞きしたいのですが、具体的にどんな業務なんですか?
東京の町田にあるアスペアという創業25年のIT企業で、エンジニアを採用する「採用担当・人事」として働いています。
私たちの会社に興味を持ってくれた転職希望の候補者と面談でお話し、IT業界で働くことの楽しさ・エンジニアのキャリアの魅力などについて語っています。
なかのの夫:エンジニアのキャリアの魅力語る…いいですね。かっこいいですね!
ありがとうございます。
あとは…業務時間中でもTwitterをよくやっています。笑
なかのの夫:なんと!笑 マジすか。笑
はい。笑
いえ、実際本当にTwitterが仕事に繋がっていまして、Twitterで仲良くなったエンジニアの方を採用したケースもあるんですよ。
Twitterって、私たち会社側にとっては転職エージェントよりも採用コストが抑えられるので他のところにお金をかけやすいというメリットがありますが、採用される側にとってもメリットがあるんですよ。
その方の能力が高ければスペックの良いパソコンを買ってもらえたり、給料に反映されたり。
なかのの夫:なるほど!確かに!ちなみに、その面談の際もぜんぶリモートなんですか?ビデオ通話とかしたりして。
いえ、意図的に最初は相手の方に興味・関心を持っていただくために、「対面」でやるように心がけてます。
といっても、私たちのオフィスに来ていただくのではなく、緊張をさせないためにも、相手の方の近くのカフェ等に出向いて面談することがほとんどです。
なかのの夫:すごい細かな気遣いをされてるんですね。優秀なエンジニアさん、ほんとにたくさん集まってきそうですね。
ありがとうございます。
でも、自社の採用が上手くいくかは実は気にしていなくて、私たちの会社の雰囲気とビジョンにマッチした方が自然と入社して頂ければそれでよい、というのが私の考え方です。
採用・人事職の仕事を通じて感じる、リモートワークのメリット
なかのの夫:じゃあ次の質問なんですが、リモートワークのメリット・デメリットについてお聞きしたいのですが。まず、メリットってどんなことだと思いますか?
メリットは「◯◯時に出社」という義務を負いづらくなることで、満員電車に乗るのを避けられることですね。
なかのの夫:ですよねーー!僕も電車通勤なくなって本当にそれだけでストレスなくなりましたもん。
はい。本当そうですよね!
私はベトナム・タイ・香港などで仕事していたのでいつも感じますが、日本の満員電車は日本人の幸福度を下げる、最大の元凶ですね。
なかのの夫:うーーん、説得力のあるご意見ですねぇ…
あと私は極度の夜型なので「毎日8時に出社」などと言われると、毎月何回も遅刻してしまい、罪悪感に駆られて仕事に集中しづらくなります…
人によって朝型・夜型など、生活のスタイルは異なりますし、私たちの会社はお子さんがいるエンジニアも多いので、家でも仕事がしやすいのは大きなメリットですね。
なかのの夫:それ超共感できます!僕も娘の子守りしながら自宅で作業とかしてますし、息子の幼稚園バスの送り迎えもできてるので。リモートやっててよかったなぁと感じますね。
リモートワークのデメリット
なかのの夫:逆に、リモートワークのデメリットはどんなところだと思いますか?
やっぱりコミュニケーション面ですね。
「文章で伝わりづらいニュアンスを伝える」ときは対面以上に気を遣いますね。
あとは何名かでアイデアを出すようなミーティングだと、ホワイトボードに何か書きながら議論するといったことは少しやりづらいように思います。
なかのの夫:やっぱりそれですよね。チャット使ったコミュニケーションが中心になるから、相手の表情見えなくて、お互いに本来の意図が伝わらなかったりとか、よくありますよね。
はい。特にエンジニアって文章を打つのも言葉足らずだったりしますから…
このあたりは便利なツールが出てくればまた違うのかもしれませんけどね。
なかのの夫:ですね。リモートワークが普及してくれば「リモート会議用のツール」みたいな出てきそうですよね。
その他・リモートワークの採用・人事職の「リアル」
ここからはモローさんからお聞きしたその他の情報…
- 勤務時間・場所
- 業務の進め方
などについて簡単にまとめました。こちらもリモートワークを実際にやってる方の生の情報ですので、ご参考にどうぞ!
勤務時間&休日
なかのの夫:次は勤務時間とか休日について伺いたいのですが、定時とかありますか?
社内では10時~15時のコアタイムが決まっていますが、私は週30時間自分のスケジュールに合わせて稼働する特殊な契約で働いています。
30時間を週3でも週5でも好きなタイミングで消化する働き方です。
なかのの夫:!!!それ凄いっすね!!!え、ちょっと待って。週30時間ってことは1日6時間労働ってことですか?
はい、そうです。
成果を出せばこれと言った決まりはあまりないので、夜に面接が入る日は15時~20時で働いたり、柔軟に働いています。
週30時間を超えると、残業代が全額支給されるありがたい会社なので、働きすぎないように自己管理するのが大変です。笑
なかのの夫:なんと…!そんな会社があるのですか…!羨ましい…。それで、休日はふつうに土日祝日ですか?
そうですね!
基本休んでいることが多いですが、私は採用についてのセミナー・交流会などに参加するのが趣味の1つなので、土日でもよく顔を出しています。
なかのの夫:じゃあもう、モローさんにとっては最高に理想的な環境なわけですね…!
✓ まとめ
- 週30時間を自由に消化する働き方(週5日でも週3日でもOK)
- 休日:土日・祝日
- 週30時間を超えた労働時間分は全額残業代が支給される
一日のスケジュール
なかのの夫:続いては一日のスケジュールについて伺いたいんですが、概ねどんなタイムスケジュールになってますか?
面談の時間・場所によっても変わるのですが、
- 5:30~6:30:Twitter
- その後、30分~1時間で読書
- 10時~11時でオフィスに出社
その後、採用関係の業者さんに会ったりします。
面接は日にだいたい1件~2件くらいで、都内で面談が入ってる場合は、自宅から直接向かうこともあります。
仕事している場所
なかのの夫:では、仕事している場所はどこが多いですか?やっぱり自宅ですか?
自宅のときもあれば、本社がある町田オフィス・六本木のレンタルオフィスなど、そのときの気分で決めています。
- 自宅:2
- オフィス:4
- カフェ:4
ぐらいの割合です。エンジニアと込み入った話をする際にはオフィスに出社しますね。
なかのの夫:なるほど!そうか。人事担当もされてるので、エンジニアさんとお話とかもあるんですね。
そうですね。あと、自宅だと漫画とか本の誘惑が多いですから…
それから、自宅から割と近いので六本木ヒルズ49階の、月9,000円で本読み放題のレンタルオフィス(※)があるのですが、そこに入り浸ってますね。
なかのの夫:へーーー!六本木にそんな場所が!やっぱり東京はいいですね~(埼玉の田舎に引きこもってる)
※六本木ヒルズライブラリーのこと。Webサイトはこちら。
上司・同僚とのコミュニケーションについて
なかのの夫:そしたら、モローさんの場合は上司や同僚の方とコミュニケーション取る機会は多そうですね。
そうですね。自分からオフィスに出向いてリアルで会う機会を大事にしています。
文面で伝わりづらい微妙なニュアンスのコミュニケーションが必要なときは対面のコミュニケーションが最適なケースが少なくありませんから。
なかのの夫:ちなみに、リモートで業務する場合はコミュニケーション取るのにどんなツール使ってますか?
なかのの夫:おーー!モローさんの会社もSlackですか。やっぱりリモートワークの定番ツールになってるんですね、これ。
業務の進捗報告や、出退勤の管理について
なかのの夫:ということは、業務の進捗報告や出退勤の管理も、Slackを使っているんですか?
出退勤は、そうですね。Slackで「今から出勤します」「ここで退勤します」と一言メッセージを入れるだけです。
タイムカードのようなものはありません。
性善説に基づいた運用なので、サボろうと思えばいくらでもできますが今の職場は運よく良い人しかいないので不正はまったくないですね!
なかのの夫:僕の会社もそんな感じです!まぁなんか、リモートワークってかえってサボれないですよね。笑
ですね。わかります。
出退勤はそんな感じですが、日々の業務の報告は、「自分がその週にどんな活動をしたか」の週報を全社員が閲覧できる社内のシステム向けに送ります。
それ以外の、その都度発生する業務のやり取りはSlackです。
リモートワークに欠かせないアイテム・ツール
なかのの夫:次の質問なんですが、「これはリモートワークに欠かせないぞ」っていう便利なアイテム・ツールってありますか?
「イヤーマフ」という周囲の音を遮るヘッドフォンを愛用しています。
Amazonで2,000円くらいで買えるのですが、カフェ・電車などに乗っていても雑音がほぼ聞こえなくなるので、集中したいときに愛用しています。
だいぶ音がなくなるので、集中はしやすいですよ。
なかのの夫:あー!やっぱりこういうの良いんですね!ノイズキャンセリングヘッドフォンを使っている方も居たんですが、やっぱり周囲の雑音って気になりますもんね…
リモートワークで課題に感じること・始める前とのギャップ
なかのの夫:いま、モローさんがリモートワークで働いていて「これは課題だな」って感じることはありますか?働き始める前と今とのギャップとか。
結構あります。
まず「レスの速さ」がリモートワークの大前提になるので、気を抜けないことが多く、意外とその点は大変だなと。
あとは「急なお願いごと」や「トラブルがあったときの謝罪」など、対面の方がコミュニケーションが円滑に進むこともあるので、リモートワークは万能ではないですね。
それをどう埋めていくのかがギャップが課題だなと感じています。
リモートワークの仕事を得るために必要な条件
なかのの夫:続いては、モローさんの思う「リモートワークの仕事を得るために必要な条件」って何だと思いますか? 今まさにリモートワークを探してるという方向けにアドバイスをいただければと。
最初からリモートワークにこだわすぎず、まずは通常の週5・オフィス勤務での働き方で成果を出す。
そして周りの信頼を得てからリモートワークを取り入れるのが誰にでもおすすめしやすいやり方です。
リモートより対面でコミュニケーションを取る方が得意な方もいますし、リモートは人によって向き・不向きがあるので、自分の適性を理解することが大切です。
あと、リモートOKと書いてなくても、採用担当や社長や役員の方の出身企業をみてあたりをつけるのもアリですね。
今後やりたいこと・目標・PRなど
なかのの夫:では最後に、モローさんが今後やりたいこと・目標などを聞かせてください!
会社員っていうベースを持ちつつ、自由に働ける人を増やしたいなと思っています。
その一つの職業がエンジニアだと思っているので、優秀なエンジニアさんを増やしたいなと。
良い感じで会社を使い倒す人が増えたらいいんじゃないかな?と。
フリーランスか会社員かで選択したときに、会社員を選ぶようになれればいいな、なんて考えています。
なかのの夫:モローさん、本日はどうもありがとうございました!!
まとめ&編集後記
モローさんは写真の顔のイメージどおり、とにかく丁寧で親切で人当たりの良さが出まくってる方でした。
※インタビューの事前回答もしてくれ、さらにインタビュー当日までとにかく手厚い対応。最高でした!
リモートワークをしているものの、「リモートワークにこだわらず、自分の適性を理解することが大切だ」との見解を示されているあたり、さすがは相手のことを第一に考える、採用・人事職ですよね。
自由で柔軟な働き方がしたい!と思ってるエンジニアの方や、リモートワークに不安を感じてる方はモローさんをフォローすべし!
→ IT菩薩@モロー(毛呂 淳一朗)さんのTwitterアカウントはこちら
何より、本当に良い会社で働いてらっしゃって、マジで羨ましすぎる…
モローさん、本当にありがとうございました!
リモートワークが気になるあなたへ!おすすめの記事3選
ここまでお読みいただきありがとうございます!
リモートワークについては以下3つの記事も合わせてどうぞ。